教会の結婚式で、もっとよく聞いてみたいことについて、品川教会牧師ができるだけ具体的にお答えします。
結婚式場のチャペルで、どのような式が行われているのか、詳しくは知らないので、正確にはお答えできません。わたしとしては、ちゃんとした教会で結婚式をなさることをお奨めしますが、式場のチャペルで結婚したから、よい夫婦にはなれない、というようなことはありません。逆に言えば、教会で式を挙げたからよい夫婦になれる、ということでもないのです。それは、おふたりがどういう思いで、どのような準備をして結婚するか、によります。
ただ、品川教会の場合には、結婚記念日が近づくと必ず教会を訪れて礼拝に参加するご夫婦がいますし、子どもが生まれると祝福式をしてください、と願い出られるご夫婦もいます。何か問題が起こった時には、牧師に相談にこられる人も少なくないです。こういうことは、結婚式場で式を挙げた場合には難しいかも知れません。
教会によります。教会員でない一般の人たちの結婚式を受け付けているところであれば、式を挙げることはできます。
キリスト教会は大別すると東方正教会、ローマ・カトリック教会、プロテスタント教会の3つに分かれます。プロテスタント教会はルター派やカルヴァン派など、さらに細かく分かれます。それぞれに少しずつ伝統が違っているのですが、イエス・キリストを信じているという点では同じです。
ちなみに正教会やカトリック教会の聖職者は主教や司祭です。プロテスタント教会には牧師がいます。一般に言われる「神父」というのは主教や司祭の尊称で、牧師については用いません。わたしは牧師ですが、結婚式の列席者からは、よく「神父様」と呼ばれます。でもいちいち訂正はしません。
そういう違いがあるので、このサイトの中では「教会の責任者」という言い方をしています。
教会の結婚式は教会の信仰に基づいて行われますから、その信仰を少しでも理解しておくことは必要です。
その意味で式までの間、礼拝に出席することを義務づけているところは少なくありません。それと、結婚の準備の会をするところも多いです。
でもこれらは、規則とか条件というものではなくて、結婚生活をよりよいものにするためのものですから、そのつもりで積極的に参加してください。
最近は教会の結婚式でなくても指輪の交換をするようになったようです。
どうして指輪の交換をするのか、指輪を左手の薬指にはめるのはなぜか、という由来については、いろいろなことが言われていますが、確かなことはわかりません。
品川教会では、この指輪を約束のしるし、と考えています。自分が誓約の言葉の中で約束したことを指輪にして、相手の指につけておいてもらうのです。この指輪は式の時に相手がつけてくれたら、そのままそれをつけて生活します。年月が経って、変色したり変形したりしますが、それでもふたりの指にそれがしっかりとついていることに意味があります。それを見て、お互いの約束が長い年月を耐えてきたことを思い、感謝するのです。
式の始めに、この結婚が道にかなわないものであることを知る人があれば、責任をもって申し出てください、と言います。その時に申し出があって、その申し出に十分な理由があれば式は行いません。花嫁がさらわれる、というのは、花嫁自身がその結婚に心から納得していなかったからでしょう。そういう意味では、誓約の言葉の最初の問(この人と結婚したいと心から願いますか、という問)でも問題は明らかになるので、その結婚には無理があった、ということだと思います。
教会の結婚式は、神と証人の前で行う結婚式ですから、ふたりだけの式というのは行いません。どなたか会衆席に座っていただくようにしてください。
基本的に服装の制限はありません。ウエディングドレスでなければならない、という規則もありません。背広とスーツでもよいですし、和服でも問題ありません。
以前、ある航空会社のパイロットとスチュワーデスが結婚したときには、新婦はウェディングドレスでしたが、新郎はパイロットの制服でした。なかなかよいものでした。
品川教会では、普段の礼拝で使用するままの礼拝堂で結婚式をしますので、特別に花を飾ることはしませんが、教会によっては、そのような演出ができるところもありますから、よくご相談になるのがよいと思います。
この場合の「招待客」とは、恐らく「披露宴への招待客」の意味でしょう。全く何の招待もされない人が式に出ることはありませんから。
神前式で行う場合には、式は家族だけで簡単に行う場合が多いので、「結婚式への招待」は、すなわち「披露宴への招待」ですが、教会の場合には、式がメインですから「結婚式への招待」は、文字通り「結婚式への招待」です。礼拝堂に入れる限り、できるだけ大勢の方を招いて、祝福していただくのがよいでしょう。式の後の披露は、全員を招く場合もあり、親族だけで簡単に行う場合もあり、中には全然しないという人もいます。
品川教会では式の当日に奉仕する者が付き添って礼拝堂でリハーサルをしますが、教会によって状況が違うと思いますのです、式を挙げる教会の責任者に聞いてご覧になるのがよいと思います。
まずはじめに、バージンロードというのは和製英語です。ドレスを汚さないように白い布を敷いたのが始まりと言われています。品川教会ではバージンロードは使いません。
なぜ父親と歩くのか、は正確な由来や理由はわかりません。父親がいない場合には、代わりの人をお願いすることもありますが、花嫁がひとりで入場することも少なくありません。
入場の仕方は、教会によって違いますので、その教会のやり方に従うのがよいと思います。
教会によっては、式の最中の撮影を認めないところもありますので、よく事前に打ち合わせをした方がよいと思います。品川教会も式の間の撮影は認めません。それは、結婚式が礼拝だからです。式の間、会堂内にいる人すべてが、礼拝への参加者であるように、という配慮から、撮影を認めていないのです。撮影者はしばしば、その場にいながら部外者になってしまうことが多いからです。ただ、式の前後には自由に写真を撮っていただいていますし、式のビデオは。遠隔操作で撮れる機器を礼拝堂に備えていますので、式の雰囲気を壊さずに撮ることができます。
讃美歌の中に、結婚式のための讃美歌というものがあって、そういうものが歌われる場合もあります。あとは、できるだけ多くの人が歌えるように、よく知られているものを選ぶ場合もあります。また、結婚式は礼拝なので、礼拝としてふさわしいもの、という理由で選曲をされる場合もあります。教会によって違いますので、責任者にお尋ねになるのがよいと思います。
これは教会によってまちまちです。その教会の責任者にお尋ねになるのがよいでしょう。品川教会では50分ほどです。
式が終わった新郎新婦に米を浴びせるのは、ふたりが食べるに困らないように、という願いから出た習慣だと聞いています。ついでに言うと、披露宴で行うケーキカットは、切ったケーキを新郎新婦がまずお互いに相手に食べさせ、それからみんなで分けて食べるために行うもので、これも、あなたをちゃんと食べさせてあげます、という意思表示だと聞いたことがあります。こういう、生活のにおいのするものが、わたしは好きですが、最近ではケーキはカットしただけで引っ込めてしまいますし、ライスシャワーはフラワーシャワーなどと言って米の代わりに花びらをまくようになりました。意味のない形だけのことが増えてきているようで、わたしは残念に思っています。
いつでしたか、「この人と結婚して本当にいいのだろうか」と迷い続けた女性がいました。相手の男性には全く迷いはなかったのですが、彼女には不安があったのです。そのまま式の当日を迎えて、わたしが控え室で花嫁衣装をまとった彼女に「気分はどうですか」と尋ねたら、「覚悟はできております」という返事が返って来ました。迷い続けて、最後にその自分の迷いに決着をつけたのですね。あの女性はどうしているだろうか、と時々思い出します。
あとはこの本の中の「親よりも子どもよりも・・・・」の中で紹介した、2週間前に式をやめたふたりですね。実はこのふたり、式の予定日の3日前にもう一度教会に来て、式をしてください、と申し出られました。彼の方が、親よりも彼女をとる、という決心がついたのですね。それで大急ぎで奉仕者を集めて式をしました。このふたりも、忘れられませんね。すんなりいった人たちよりも、何か問題のあった人たちの方が印象に残っています。
教会によっては、全くできないところもありますし、小さなパーティーならできるところ、あるいはかなり大がかりなこともできるところ、といろいろです。よくご相談ください。品川教会では、100人くらいのパーティーならできます。
まず教会に電話をして、自分たちの希望を述べて、式を引き受けてもよい、ということであれば、その後の手続きをお尋ねになるのがよいと思います。それから、これは式のための手続きではありませんが、その教会の礼拝に出て、自分たちが式を挙げるその礼拝堂で信仰生活をしている人たちの姿に触れることは是非なさってください。
教会の場合は、日曜日の午前中は礼拝があるので結婚式はしません。午後も教会の予定があれば難しいです。週日の場合も、教会のスケジュールが優先されますから、自分たちで自由に決めるのは難しいと思います。
品川教会では原則土曜日にだけ結婚式をお引き受けしています。
教会で結婚式を挙げることに親が反対するのにはいろいろな理由がありますが、一番多いのは、教会の結婚式というものがどういうものかを知らないために不安を持つということでしょう。そういう場合でしたら、親を教会につれてきて建物を見てもらったり、責任者に会って話を聞いてもらうようにしてはどうでしょうか。結婚式に対する教会の考え方がわかれば安心なさると思います。
これも教会によってまちまちです。責任者にお尋ねください。多くは献金として献げているようです。金額も定めているところと、定めのないところがあります。
教会は教会員の献金によって支えられています。献金は月謝や会費と違って金額の定めがありません。収入に応じて献金をし、教会を支えるのです。
そういうことで金額の定めがない教会もあるのですが、定めがないと困りますね。大体の金額を責任者に尋ねてみるのもよいと思います。それでもわからない場合は、献金の原則に従うのがよいでしょう。献金の原則は、「『ちょっとがんばったな』と思える金額を献げること」です。
これも教会によって事情が違うと思います。お世話をしてくださる方はいると思いますが、どの程度のお世話をしてくださるか、が問題でしょう。よくお尋ねになるのがよいと思います。品川教会では教会員がチームを組んでお世話をします。そういう方とは結婚後も手紙のやりとりをする、などのおつきあいが続くことも少なくないようです。
これも教会の方針によることですので、責任者にお尋ねください。教会によっては、再婚者の挙式を受け付けないところもあるようです。品川教会では再婚者の挙式も引き受けています。わたしの経験では、再婚者の方が、思いを新たにして結婚生活に臨むという気持ちが強いように思います。
これも教会によって対応が違いますから、そういう結婚式を引き受けてくれる教会を探されることだと思います。品川教会では、同棲している人たちをも含めて、実質的に結婚生活を始めてしまっている人たちの結婚式は、原則として行いませんが、それぞれに事情が違いますので、実際の判断はケースバイケースでしています。
「もちろんです。離婚はできません」というのと「大丈夫ですよ。離婚なんていつでもできますからご安心ください」というのと、どちらの答えに満足なさいますか。どちらにも満足しないとしたら、それはたぶん、この質問自体にどこかおかしいところがあるからです。結婚するときに「この人と一生別れられなかったらどうしようか」と不安になるというのは、やはりどこかおかしいのではないでしょうか。
結婚記念日は、とても大事です。まず何よりも忘れないことです。結婚記念日の過ごし方、というのを決めておくのがよいと思います。どんなに忙しくても、結婚記念日は夫婦の日です。夫婦の日を大事にすることは、夫婦を大事にすることに通じます。